昭和のレトロパソコンを趣味にしていると、本体やソフトだけでなく、当時の雑誌や書籍、広告、カタログなどの資料も欲しくなってきます。
ところが、ここで大きな壁があります。古いパソコン資料は、とにかく探すのが大変です。1980年代のパソコン雑誌や技術書ともなると、すでに絶版になっているものが多く、中古市場でも簡単には見つかりません。ヤフオクやメルカリに出品されても価格が高かったり、そもそも欲しい号が何年も出てこなかったりします。そんなレトロパソコン資料を探している人におすすめしたいのが、国立国会図書館です。
レトロパソコンを「実機を動かして楽しむ趣味」から「当時の資料まで調べて楽しむ趣味」へ広げていくと、国立国会図書館は非常に頼もしい存在になります。
国立国会図書館とは?
国立国会図書館は、東京本館・関西館・国際子ども図書館の施設を持つ、日本最大級の図書館です。国立国会図書館サーチを利用すれば、国立国会図書館だけでなく、全国の図書館などが所蔵する資料もまとめて検索できます。
また、「国立国会図書館デジタルコレクション」では、デジタル化された資料を検索・閲覧することもできます。レトロパソコン好きにとって魅力的なのは、一般の図書館や中古書店ではなかなか出会えないような昔の雑誌や書籍を探せる可能性があることです。
レトロパソコンは「当時の資料」を読むとさらに面白い
レトロパソコンというと、
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PC-6001
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PC-8001
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PC-8801
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PC-9801
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X1
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MZシリーズ
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FM-7
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MSX
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X68000
といった昔のパソコン本体を集めたり、実際にソフトを動かしたりする楽しみ方が真っ先に思い浮かびます。しかし、ある程度実機を集めていくと、今度は「当時はどんなふうに紹介されていたのだろう?」という興味が湧いてきます。そこで面白くなってくるのが雑誌や書籍です。
当時のパソコン雑誌には、新製品の紹介、プログラムリスト、ゲーム記事、ハードウェア解説など、その時代をリアルタイムで記録した情報が詰まっています。そして個人的に面白いと思っているのが広告です。
現在から見ると貴重なレトロパソコンが普通に新品として売られていた時代。その時代の広告を眺めるだけでも楽しめます。スペックや価格、キャッチコピー、周辺機器などを見ていると、当時のパソコン文化が見えてきます。
古いパソコン雑誌は単なる「古い情報誌」ではありません。レトロパソコン好きにとっては、昭和のパソコン文化を記録した資料そのものなのです。
中古市場だけで昔のパソコン資料を集めるのは大変
もちろん、ヤフオク、メルカリ、古書店などで当時の資料を購入する方法もあります。私自身も昔のパソコン雑誌や書籍を集めています。しかし、これには限界があります。欲しい本が必ず出品されるとは限りません。
雑誌の場合、「1985年○月号だけ欲しい」と思っても、その号だけ都合よく出品されるとは限らないのです。希少な雑誌になると価格が高騰することもあります。資料として少し内容を確認したいだけなのに、何千円、場合によってはそれ以上のお金を払って購入するのは厳しいところです。 だからこそ、「所有する」と「調べる」を分けて考えるのがおすすめです。
本当に欲しいものは中古市場で購入する。内容を調査したいものは図書館を利用する。この使い分けができるようになると、レトロパソコン資料探しがかなり楽になります。
国立国会図書館サーチで事前に検索しておこう
いきなり国立国会図書館へ向かうのではなく、まず利用したいのが国立国会図書館サーチです。国立国会図書館サーチでは、書名や雑誌名などから資料を検索できます。
たとえば、
「PC-8801」
「PC-6001」
「マイコン」
「BASIC」
など、興味のある機種名やキーワードから調べてみるのも面白いでしょう。雑誌を探している場合は、雑誌名で検索して所蔵状況を確認しておくと効率的です。レトロパソコン関連の資料探しは、ここから始めるのがおすすめです。
国立国会図書館デジタルコレクションもチェック
もうひとつ覚えておきたいのが、国立国会図書館デジタルコレクションです。国立国会図書館が収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧できるサービスです。資料によって利用条件は異なりますが、わざわざ現地まで行かなくても閲覧できる資料があります。さらに、本登録を行った利用者には「個人向けデジタル化資料送信サービス」も提供されています。これは、絶版などの理由で入手困難となったデジタル化資料のうち対象となるものを、インターネット経由で自分の端末から閲覧できるサービスです。
つまり、レトロパソコン資料を探す場合、国立国会図書館サーチ → デジタルコレクション → 必要なら来館という順番で調べていくと効率的です。
本格的に利用するなら「本登録」がおすすめ
レトロパソコン資料を本格的に調べるなら、国立国会図書館の利用者登録をしておくと便利です。国立国会図書館によると、東京本館と関西館では所蔵資料の大部分が書庫に収められており、書庫資料を利用するには「本登録」が必要です。本登録すると、来館しての書庫資料の利用や複写のほか、遠隔複写や個人向けデジタル化資料送信サービスなども利用できるようになります。利用者登録そのものは無料です。来館して登録する場合には、氏名・生年月日・現住所を確認できる本人確認書類が必要なので、忘れないようにしましょう。
国会図書館は普通の図書館とは少し使い方が違う
初めて利用するときに知っておきたいのが、国立国会図書館は一般的な市立図書館などとは利用方法が少し異なることです。東京本館や関西館では、多くの資料が自由に手に取れる本棚ではなく書庫に収められています。そのため、館内の端末などから目的の資料を申し込み、用意された資料を受け取って閲覧する形になります。最初は少し戸惑うかもしれません。
しかし、使い方が分かってしまえば、レトロパソコンの資料調査には非常に心強い存在です。
必要なページは複写サービスを活用する
調べていて、「この記事は手元に残しておきたい」「この広告は後で資料として確認したい」というページが見つかることもあります。国立国会図書館では、著作権法などで認められた範囲内で所蔵資料の複写を申し込めます。東京本館の場合、資料の複写はセルフコピーではなく、スタッフが作業する方式です。複写は有料で、資料の種類や状態などによって利用できる方法が異なる場合があります。
また、複写箇所を特定できていれば、来館せずに申し込める遠隔複写サービスもあります。レトロパソコンの調査では、資料そのものを買うほどではないけれど、特定の記事や広告だけ手元に残したいケースもあります。そんなときに複写サービスは便利です。
「資料を買う前の下調べ」にも使える
国立国会図書館は、資料を購入するかどうか判断するための下調べにも活用できます。古いパソコン雑誌やムック本などを中古で見つけても、「本当に自分が読みたい記事が掲載されているのか?」が分からないことがあります。タイトルだけを見て高い中古本を購入したものの、欲しかった情報がほとんど載っていなかった……となれば残念です。
そこで、まず国立国会図書館で内容を確認する。そして、「これは手元に置いておきたい」と思った資料だけ中古市場で探す。この方法なら、レトロパソコン資料収集の無駄な出費も減らせます。
雑誌を「読む」から「調べる」へ
レトロパソコン趣味を続けていると、雑誌の楽しみ方も変わってきます。最初は単純に懐かしくて読む。しかし、次第に、「PC-8801mkⅡSR発売当時の記事を読みたい」「この機種は当時どんな評価だったのか?」「発売当時はいくらだったのか?」「どんな周辺機器が販売されていたのか?」「当時の広告を見てみたい」といった、より具体的な疑問が出てきます。こうなってくると、昔のパソコン雑誌は単なる読み物ではなく一次資料に近い存在になってきます。
現在のWebサイトから当時を振り返るのも面白いですが、1980年代当時に発行された雑誌や書籍を直接調べると、その時代ならではの空気まで感じ取れます。これが資料探しの面白さです。
ブログを書く人にも国立国会図書館はおすすめ
レトロパソコンについてブログやホームページを書いている人にもおすすめです。昔の記憶だけで記事を書こうとすると、「発売時期はいつだったっけ?」「当時の価格はいくらだった?」「この機能はどのモデルから搭載された?」と分からなくなることがあります。インターネット検索だけでは、情報源が曖昧なケースもあります。そんなとき、当時の雑誌や書籍までさかのぼって確認できれば、記事を書くための資料として非常に役立ちます。
ただし、雑誌の記事や写真などをブログへ掲載する場合は、閲覧・複写できることとWeb上で自由に転載できることは別なので、著作権には注意が必要です。「調査資料として読む・事実確認に使う」ことと「誌面をそのまま公開する」ことは分けて考えましょう。
国立国会図書館を使ったレトロPC資料探しの流れ
私なら、次のような順番で探します。
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調べたいパソコンや雑誌を決める
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国立国会図書館サーチで検索する
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所蔵状況を確認する
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デジタルコレクションでも検索する
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オンラインで閲覧できるなら自宅で調査する
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必要に応じて東京本館・関西館を利用する
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必要な部分だけ複写を申し込む
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「これは所有したい」と思った資料だけ中古市場で探す
この方法なら、片っ端から古本を購入する必要がありません。「まず調べる。気に入ったものだけ買う」という資料収集ができます。
まとめ|レトロパソコン好きなら国立国会図書館を一度検索してみよう
レトロパソコンの楽しみ方は、実機を集めたりゲームを遊んだりするだけではありません。当時の雑誌や書籍を調べることで、さらに深い世界が見えてきます。1980年代、1990年代のパソコン雑誌を読む。発売当時の記事を見る。広告を見る。価格を見る。当時の評価を調べる。そして、現在手元にあるレトロパソコンを改めて眺めてみる。これだけでも、実機だけを楽しんでいたときとは違った面白さがあります。
古い資料は、中古市場だけで探そうとするとお金も時間もかかります。そこで活用したいのが国立国会図書館です。まずは国立国会図書館サーチで、自分が好きなレトロパソコンの機種名や昔読んでいたパソコン雑誌の名前を検索してみてはいかがでしょうか。思いがけない資料が見つかるかもしれません。
レトロパソコン趣味が「集める・動かす」から「調べる」へ広がると、また新しい沼が待っています。