ここでは、筆者がこれまで所有してきたSONYのパソコンブランド「VAIO」の思い出を振り返ってみたいと思います。
SONYというと、テレビやウォークマン、ハンディカムなどのAV機器メーカーというイメージが強いでしょう。しかし、パソコンの歴史を振り返ると、8ビットパソコン全盛期には独自仕様の「SMC-777」を発売し、その後はMSX規格の「HITBITシリーズ」を展開するなど、古くからパソコン事業にも取り組んでいました。
そんなSONYのVAIOの歴史を、当時所有していたモデルの思い出と併せてお話したいと思います。
Windows PCメーカーとしては後発組
Windows時代への本格参入は他メーカーより少し遅れましたが、そこで登場したのが「VAIO」です。AV機器メーカーならではの発想を活かし、映像・音楽・写真を楽しむことを重視したVAIOは、多くのWindowsパソコンとは一線を画す存在でした。
当時は「保証が切れた頃に壊れる」といった意味で「ソニータイマー」という言葉もユーザーの間でよく話題になりましたが、これは当時のインターネット上で広まった都市伝説であり、事実として確認されたものではありません。
1モデルのサイクルは短かった
メーカーは新製品を定期的なサイクルで発売しています。だいたい3ヶ月おきくらいです。ただ、VAIOのサイクルは2ヶ月くらいで生産量も多くなく、すぐモデルチェンジをしていました。
人気ゆえに、次のモデルが出る1ヶ月には完売になることも多かったです。
Windows 2000 Professionalモデルも多かった
多くのメーカーはWindows 98を採用している中、VAIOはWindows 2000 Professionalを搭載していることも多かったです。安定性を重視していたのでしょう。Windows XPモデルが出る前まで、この傾向は続いていました。
VAIOには2章まであった
Windows XP 初期までの第1章と、Windows XP 後期からの第2章に分かれていました。これからは、それぞれの機種について当時撮影した実機の写真を交えながら、一台ずつ詳しく紹介していきたいと思います。
第1章 PCG・PCV時代
Windows 98からWindows XP初期にかけてのVAIOは、「PCG」と「PCV」の型番が使われていました。紫色をアクセントカラーにしたスタイリッシュなデザインは、一目でVAIOと分かる個性があり、他社のパソコンとは違う高級感を放っていました。
所有していたVAIO
PCG-XR9F/K
私が所有していた初期のVAIOの一台が「PCG-XR9F/K」です。このモデルはMobile Pentium III 800MHzを搭載し、Windows 2000 Professionalをプリインストールしたモデルでした。
Windows 2000 Professionalの高い安定性と、当時としては十分な性能を備えたモバイルノートで、仕事にも趣味にも活躍してくれました。
PCG-R505AB/D
続いて所有したのが「PCG-R505AB/D」です。このモデルは本来Windows Meを搭載した家庭向けモデルでした。しかし私は、より安定した環境を求めてWindows 2000 Professionalをインストールして使用していました。
Windows MeではなくWindows 2000 Professionalで運用したことで、安心して使えるモバイルノートになったことをよく覚えています。
PCG-V505VBD
その後所有したのが「PCG-V505VBD」です。Windows XP時代のモバイルVAIOで、薄型・軽量化が進み、持ち運びやすさとデザイン性を両立したモデルでした。高級感のあるデザインはもちろん、性能も十分で、外出先でのインターネットや文書作成など、モバイル用途で大いに活躍してくれました。
この頃のVAIOは、「持ち歩きたくなるノートパソコン」という印象が強く、所有する満足感も非常に高かったです。
PCV-RZ55
デスクトップでは「PCV-RZ55」も所有していました。Windows XP時代のVAIOデスクトップを代表するモデルで、DVD編集や音楽管理、写真整理など、マルチメディアを楽しむための機能が充実していました。テレビやデジタルビデオカメラとの連携も意識されており、「AVパソコン」というVAIOのコンセプトを強く感じられるモデルでした。
スタイリッシュなデザインも印象的で、一般的なデスクトップパソコンにはない高級感がありました。
第2章 VGC・VGN時代
Windows XP後期になると、VAIOの型番は「VGC」「VGN」へと移り変わりました。この世代では、ハードウェア性能だけでなく、AV機能や独自ソフトウェアも大きく進化しました。
その代表が、VAIO独自のソフトウェア「Do VAIO」です。Do VAIOは、写真・音楽・動画などを一元管理し、初心者でも簡単に楽しめるよう設計されたソフトウェアでした。デジタルビデオカメラで撮影した映像を取り込み、編集し、DVDへ保存するまでの一連の作業を分かりやすくサポートしてくれました。また、i.LINK(IEEE1394)端子を利用したSONY製デジタルビデオカメラとの連携も大きな特徴でした。VAIOに付属するAV関連ソフトウェアは、SONY製デジタルビデオカメラやAV機器との組み合わせで動作保証されており、自社製品同士で快適に利用できるよう設計されていました。
AVメーカーならではの発想が随所に盛り込まれていた時代だったと思います。
VGC-RC51
VGC-RC51は、私にとって特に思い出深いデスクトップVAIOです。AVパソコンとして完成度が高いだけでなく、自作パソコン好きにとっても魅力のあるモデルでした。VGC-RCシリーズはマイクロATX規格を採用していたため、市販のマイクロATX対応マザーボードへ交換することが可能でした。私は純正パーツを取り外し、自作パソコン用のパーツを組み込んで楽しんでいました。
SONYデザインのスタイリッシュな筐体を活かしながら、中身は自分好みの構成へ変更する。メーカー製パソコンと自作パソコン、両方の楽しさを味わえた思い出深い一台です。
VGN-SZ91S
その後所有したのが、VGN-SZ91Sです。このモデルは、当時最新だったIntel Core Duoプロセッサーを搭載した高性能モバイルノートでした。さらに大きな特徴が、デュアルグラフィックス機能です。本体前面のスイッチで、内蔵グラフィックスを使用する「スタミナモード」と、高性能なNVIDIA製GPUを使用する「スピードモード」を切り替えることができました。バッテリー駆動時間を重視するか、3D性能を重視するかを用途に応じて選べるこの仕組みは、当時としては非常に画期的でした。
薄型・軽量ながら高性能を実現し、デザイン性も非常に優れており、「モバイルノートの完成形」と感じた一台でした。
私にとってVAIOとは
私が所有してきたVAIOは、時代ごとに進化しながらも、一貫して「SONYらしさ」を感じさせてくれるパソコンでした。
私が所有したVAIO
- PCG-XR9F/K(Windows 2000 Professional・Mobile Pentium III 800MHz)
- PCG-R505AB/D(Windows MeモデルをWindows 2000 Professional化)
- PCG-V505VBD
- PCV-RZ55
- VGC-RC51
- VGN-SZ91S(Core Duo・デュアルグラフィックス搭載)
どのモデルにも共通していたのは、優れたデザインとAV機器との高い親和性です。特にWindows XP時代以降のVAIOは、「Do VAIO」をはじめとする独自ソフトウェアによって、映像・音楽・写真を誰でも簡単に楽しめる環境を提供していました。また、VGN-SZ91SではCore Duoプロセッサーやデュアルグラフィックス機能など、最新技術を積極的に採用し、性能とモバイル性を高いレベルで両立していました。さらにVGC-RC51では、自作パソコンとして改造するという楽しみ方も経験しました。
現在、VAIOブランドは独立していますが、私にとってSONY時代のVAIOは、AVメーカーならではの発想とデザイン性、そして最新技術への挑戦が詰まった、非常に魅力的なパソコンブランドでした。





